カバラ教育研究所

意思の自由

人間は、自分自身の意思に従って行動する自由を持っているでしょうか? 私達の行動を考えると、それが強制的なものであり、そうすることを義務付けられ、選択の自由がないことに気付きます。なぜなら、私達の行動は喜びか苦しみのいずれかに基づいています。そのため、私達には、苦しみを選択したり喜びを拒否したりする自由がありません。人間が野生の動物よりも優れているのは、遠い、将来の目標のために、苦痛に耐えることができる点にあります。しかし、ここでも、それは選択ではなく計算です。つまり、すべての人間は自分の意思とは関わりなく、神の意思によって、喜びや苦しみを与えられながら、目標へと導かれるのです。

人が何を楽しいと感じるかは、社会の環境に左右されます。人が作り出すすべての瞬間は、社会の好みを反映しています。したがって、意思の自由がなければ、人は自分自身の支配者ではありません。そして、私達が自分自身の支配者でなければ、つまり、私達が自分の欲する通りにではなく社会が指示する通りに行動するのであれば、褒美も罰もありません。

環境の影響

人間は、社会環境の中にやむを得ず置かれているわけではありません。私達の性向は環境との接触を通して形成されるものです。

原因としての環境

私達が選択する社会は、友人、書物、先生などによって常に影響を受けます。ある人の将来は、その人がどんな社会を選択するかで決まります。人の長所を形成するような社会を選択することについては、意思の自由があります。人は悪い考えや行為のためには罰せられません。そこに選択の自由がないからです。しかし、良い環境に身を置くことを選択しなかった場合は罰せられます。それは選択が可能なことなのです。

より良い環境を選択しようと努める人は、褒美を与えられるに値します。これは、その人の良い考えや行為のためではありません。これらは自分では選択できないものです。そうではなく、自分自身の中に良い考えや行為を形成するための、良い環境を求めて努力することに対して、褒美を与えられる価値があるのです。

良い環境を選択する必要性

人は、社会を選択することによってしか自分の運命をコントロールできません。しかし、社会を選択した後は、職人の手の中の土のように、社会の意のままに支配されます。そのような状況では、自分の心が他人の心と同様に扱われます。

祖先の全体的な形は失われない

性向は、前身からの知識が傾向や素質として蓄積されたものです。人は、無意識のうちに自分の行動を決定しているのです。

個人の自由を維持していく必要性

ただ一つの性向も、壊してはなりません。それが他に再び出現することはありません。

通則

各個人は共同体の一部として作られ、常に公共の役に立つ状態にあります。