ゾーハルについて知っておきたい5つのこと
1)ゾーハルとは何か?
ゾーハルとはトーラーについての注釈書です。それは既に高いスピリチュアル段階に到達した人々を魂の根源(起源)へと導くためのものです。
ゾーハルには、魂が発達する間に経験するスピリチュアルな状態の全てが含まれています。その過程の最後に魂は、カバリストが「是正の終わり」と呼ぶもの(スピリチュアルな完全性における最も高いレベル)に到達します。
スピリチュアルな達成がない人にとって、ゾーハルは寓意物語や伝説のように読まれ、一人一人によって解釈や認識が異なります。しかし、スピリチュアルな達成がある人(すなわちカバリスト)にとって、ゾーハルはより深くて高い認識と知覚を発見するために行われる内面的活動の実践的な手引きなのです。
2)ゾーハルは誰のためのものか?
一番目の問いの解答のなかで言及したように、ゾーハルは既にスピリチュアルな認識および知覚を達成した人たちのために書かれました。ゾーハルには、スピリチュアルな度合いの梯子(階段)、全125段階に到達したラビ・シモン・バー・ヨハイ(通称ラシビ)の描写や表現が含まれています。ラシビはスピリチュアルな道の全体を表現し、ゾーハル(ヘブライ語で「光輝」という意味)という表題をつけました。
ゾーハルは、一定のスピリチュアルなレベルに到達した人だけが、読まれた内容から恩恵を受けることができるように作られています。ゾーハルを学ぶ前には、ゾハールの書に対する適切なアプローチの仕方を教える他の文献を学ぶ必要があります。
3)誰がいつゾーハルを書いたのか?
カバリストたち全員によると、またゾーハルのはじめにも書かれているように、ゾーハルはラビ・シモン・バー・ヨハイ(ラシビ)によって書かれました。彼は西暦2世紀および3世紀に生きていました。学者たちの間では、ゾーハルが13世紀にカバリストのラビ・モーシェ・デ・レオンによって書かれたという見解があります。この見解はラビ・モーシェ・デ・レオン自身によってきっぱりと否定されており、彼はゾーハルがラシビによって書かれたと述べています。
カバラの研究法において、なぜゾーハルが書かれたのかという疑問は、だれがその本当の著者なのかという疑問よりもはるかに重要なことです。ゾーハルが書かれた目的とは、人々が魂の起源に到達するための手引きになることなのです。
魂の起源への道は125段階から構成されています。ラビ・イェフダ・アシュラグは、これらの段階を通過してゾーハルの著者と同じ認識を共にするカバリストは、その著者がラシビ以外にあり得ないことが分かると書いています。
4)なぜゾーハルは長い間隠されてきたのか?
ゾーハルは西暦2世紀から11世紀までの900年間隠されてきました。その理由は、当時その知恵を有していた者たちが、ゾーハルは人々に必要なく、その内容が誤解されかねないと判断したためです。
16世紀になって初めてカバラの原理を明らかにしたカバリストが現れました。聖なるアリとして知られるラビ・イサク・ルリア(1535年~1572年)です。アリは自分の時代以降より、カバラの知恵がすべての人に開示されるための準備が整ったと述べました。
アリの作品およびゾーハルについての注釈書は、人間の欲求が歴史上最も激しく爆発的に膨張した時代、20世紀になってようやく現れました。この時期にきわめてまれな魂が現れたのです:ラビ・イェフダ・アシュラグ(バール・ハスラム)の魂です。バール・ハスラムはカバラの知恵を私たちの世代が理解できる方法で説明しました。また、20世紀におけるカバリストでゾーハルとアリの作品について注釈を書いたのは、バール・ハスラムのみでした。
これは、バール・ハスラムよりも前に偉大なカバリストがいなかったということを意味しているのではなく、バール・ハスラムよりも前のカバリストによる作品を現代の生徒たちが簡単に理解することができないということを意味しています。今日のカバラの人気およびカバラに対する需要は、私たちの世代がその普遍的なメッセージを吸収し、私たちの人生の根源について言及する真正な文献を把握する準備ができていることを証明しています。
5)ゾーハルについてもっと多くを知るには?
ゾーハルを直接的に感じて理解することはできませんが、ゾーハルに取り組む前にスピリチュアリティについてあらかじめ考えることが必要となります。私たちの時代における最も偉大なカバリスト、ラビ・イェフダ・アシュラグ(バール・ハスラム)は『ゾハールの書の序章』(Introduction to The Book of Zohar)を書き、それはまさにゾーハルの研究に着手する前に、このゾーハルという深遠な本に対する取り組み方を指導するものです。
そのような文献は高次の現実を認識するためのスピリチュアルな特質を育成します。さらに加えてそれは、人間の頭脳が作り出す傾向にある、具体化した描写による混乱を回避させ、スピリチュアルな達成への手引きとしてのゾーハルを最大限に利用するよう、ゾーハルの中にある一定の用語、語句、そして概念に対する取り組み方の知識を与えてくれます。
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Last Updated (Sunday, 17 March 2019 01:19)